野寄の大石(ノヨリノオオイシ)

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本山村誌の中に「野寄の大石」というのがあったので久しぶりに見に行ってきた。

野寄というのは地名である。昔の表示は野寄小字大石という地名からして、この大石が目印だったに違いない

「野寄の大石」の存在は、子供の頃より知っているが、近くに居ながらこれを見に来るのは数十年ぶり。

宅地開発でもうなくなってしまっているのではないかと思っていたら、なんと!立て札まであり、昔と変わらず鎮座していた

場所:神戸市東灘区西岡本4丁目5 あたり詳しくは下のヤフー地図参照

大半は私有地?内にあるが一部は道路を占有している。とは言っても、住宅街の裏道なので問題はなさそう。ここを通る人は多くないかもしれない。子供の頃に見た大石は上から7枚目の白黒写真の様に全体を見渡せていた。道路は舗装されていたと思うが、大石近くまで土塀だった、もしくは草ぼうぼうだと思ったが今は駐車場になっている。今は大学の駐車場になっているのかな?日曜日だったので1台も車は止まっていないので中に入り写真撮影・・・記憶が定かではないが、たぶん裏から見るのは初めて

 

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上の写真は「甲南学園の50年」よりスキャン

下の写真は「本山村誌」昭和28年7月30日発行 より抜粋

現在はこの写真撮影当時よりも数十センチ埋まってしまっている感じ。というか、周りが高くなった(

上1枚は保久良の雷岩、下2枚は野寄の大石)

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石の表面には写真からも見てとれるように大小の穴が沢山あいてデコボコしている

本山村誌の中に資料として野寄大石の海蝕実測図(下)があった。単位はCm 小数点が見にくいが1.2-2.65-2.9 1.7-3.9-1.8-2.7 (野寄の大石)となっている

風食説もあるが、穿孔性鹹水産貝類(せんこうせいかんすいさんかいるい)による穴ではないかとしているが明らかではない。貝がこんなに穴をあけたのかぁ!(@_@)

標高も高くないので太古の昔の海岸線はこのあたりだったのかもねぇ?

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上の図は神戸市中央図書館の蔵書「本山村誌」資料より

(昭和28年7月30日発行 非売品 編纂人:本山村誌編纂委員会 發行人:本山村誌編纂委員会 委員長 林 勇次郎  印刷所:株式会社弘文堂印刷所 京都市左京區田中西浦町四十)

時を経て随分形が変わってしまったのか?

保久良神社雷岩海蝕実測図もあるので、折をみて見に行ってみようかな・・・

本山村誌の中に断層の記述があり、また「300-400mのロックガーデンの花崗岩にも海蝕の痕跡あり、185mの保久良神社附近のホーンストーン及び金鳥山附近の350mの珪質頁岩(けいしつけつがん)に明らかに汀線(ていせん)附近に棲息する貝類の浸食と考えられる円形ないし楕円形の大小の孔を見る事が出来る」とあり、この大石は高度が40m(グーグルアースでは高度47m)で扇状地の上にあるので転石の疑もあるが、表面の孔が鮮明なので転石后浸食を受けた事も考えられる。高度が低い所のものほど孔が鮮明なのは注意すべき点であるとしている

いずれにしても100万年から数10万年前のものであるとしているので、はっきりわからない。

謎ですなぁ ? ?

穿孔性の鹹水産(かんすいさん)貝類も書かれてあるので、ここにその儘転記しておこう(ただし明らかなスペルのミスは修正しました。その他ウェブで拾ったリンクを追加しました)

1クロシギノハシ(Lithophaga teres .Philippi)

2イシマテ(Lithophaga Leisolenus curta Lischke)

3セミアサリ(Petricola claudiconcha japonica Dunker)

4シオツガイ(Petricola aequistriata . Sowerby,1874)

5ススガイ (Jouannetia cumingii . Sowerby, 1849)

6ニオガイ Barnea (Anchomasa) manilensis (Philippi,1847)

ニオガイ科二枚貝の機能形態と穿孔基質の関係

7マツカゼ Irus mitis (Deshayes)

8ヤヘウメ Phlyctiderma japonicum (Pilsbry,1895)

9カモメガイ(Pholdidae Penitella pentia Conrad)

10イワホリミョウガ(Lithotrya Valentiana .Gray)

 

参考:中新世穿孔性貝類およびその生痕の化石

 

調べだして列記するだけでも相当量あるので、キリがないのでここで終わる _| ̄|○

あとは勝手に調べてくだされm(__)m

 

この件に関しご意見、ご感想はメール、もしくはコメントよりお願いいたします。以上

 

(追記)
ここの「野寄の大石」の記事に興味を示された先生から、先日ご自身の著書である「穿孔貝-ボーリング・シェル-の詩」を頂戴いたしました

千代田厚史先生は教諭退職後ライフワークとして穿孔貝の研究され日本地質学会、日本古生物学会での発表もこなされているそうです
上の「野寄の大石」の記事にも書いてありますが、野寄の大石の表面の穴は穿孔貝によるものではなかろうか。また、保久良神社の神生岩(かみなりいわ)表面の大小の穴も同じく貝類によるものではないかという記事に対し穿孔貝の巣穴としてほぼ合致するということで、ぜひ調査を行ってみたいという事でした。先生は埼玉の方なので、遠方ゆえその後調査に来られたか不明ですが・・・
また、千代田厚史先生よりこのほど穿孔貝に関するホームページ(http://www7b.biglobe.ne.jp/~poetry-boringshell/)を立ち上げたというメールを頂きましたのでここで紹介です。
なお、#34 野寄の大石についても秋以降調査したいというお話でした
ご興味のある方はご覧ください。なお、HPは左リンク項からも入れますので宜しくお願い致します

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